komanyunの日常

とりとめもないことを綴った雑記

メーカーが倒産!家を買うのが怖いと思った件

結構おしゃれな家を高くない価格で売ってるハウスメーカーさんをウォッチングしていた。
数ヶ月前から、「職人さんの手配が遅れて工事中断」といった書き込みがあったので、てっきり活況なのかと思いきや、いきなりの倒産。
世の中分からないもんだな~と思った。

建築中の人はどうなるか?

家が出来上がってからなら、まだいい。問題は建築中の人。まだ風雪に耐えられるほど全体が出来上がっておらず、かといって養生も十分でなければ、なるべく早く工事を再開する必要がある。だけど職人さんも工賃が支払われない以上、働けない。

家の代金は良心的なところなら3~4回に分けて支払う契約になっている。

  • 基礎を作る段階
  • 上棟(柱を立てて骨組みを作る段階)
  • 内装工事
  • 引き渡し

だからお金が戻ってこなくても、最悪1/4の被害で済む。
けれど会社の経営が傾いているところは、資材を手配する費用もままならないため、基礎の段階で半分入金して下さいとか無茶な契約を迫る。
施主のほとんどが未経験ゆえ、そういうものなのかな?と思い、支払ってしまう。

こういう場合、一番被害が大きい。
なぜなら支払った金額のほとんどは返ってこないからだ。

建築中の人の心細さ

家を建てるのも初めてなのに、建築中の倒産に遭遇したとなれば、相当の動揺に見舞われるだろう。心中察するに余りある。

支払ったお金はどうなるの?建築中の家はどうなるの?ローン借りてるんだけど銀行は助けてくれる?誰に助けを求めればいい?
たくさんの疑問が頭を駆け巡る。
この問題にコレ!という解決の道筋を示すものは、ない。だれもが知らないのだ。

知ってるとすれば、こういう案件に関わったことのある弁護士くらい。
国は国民が人生を掛けて家を持とうと必死で努力しているのに、なぜ守ってやらぬ。ローン減税というエサを巻いて、持ち家率を上げ、消費税や固定資産税ばかりをむしりとる。

国も、銀行も、だれも守ってはくれない中で、施主はどうすればいいのだろうか?

住宅完成保証制度を導入している会社はごく僅か

万が一の倒産に備えて、住宅完成保証制度というのがある。これに加入していれば、倒産後も他の会社が工事を引き継いでくれる。保証をつけるには、建築会社が登録事業者で且つこの保証を受ける条項を契約書に盛り込んでおかねばならない。

調べてみるとこの登録事業者が極端に少ない。加入するのに条件が厳しいか、建築会社にとってのウマ味に欠けるからだろう。施主を守る制度というのは、現状皆無といってよさそうだ。

2016年の建築業倒産件数は1605件。リーマンショックの1/3程度に減ったとはいえ、依頼した建築会社がそれに該当する可能性はある。
だからこそ、国は早急に施主を保護するルールを作らなくてはならないのではなかろうか。

引き渡されるまでは、家は建築会社のもの

さらに厄介なのが、建築中の家の所有者は建築会社だということ。
お金を支払ったのに、持ち主とさえ認定されない施主。

これは建築会社が建築中の責任を負うためだ。火災が発生しても盗難が発生しても、所有者である建築会社がすべて元通りにしなければならない。これにより施主は安心して建築を任せられる。
ところがひとたび倒産となれば、家の引き渡しを受けるまで、続きをやってくれる建築会社へのバトンタッチもできない。

お金は払った、モノは手に入らない、放置すれば朽ちる、ローンの金利はかかる。

これで家を建てようと思える勇気ある人はどれほどいるのだろうか?

家買うとか無理でしょ~

巨額の投資をするのに、その会社の信用調査もしないなんて、お金をどぶに捨ててるもの。でもそんな習慣はないし、そもそも手立ても知らない。いいところ帝国データバンクから情報を買うくらい。とはいえ決算書を粉飾されてたら、どうしようもない。
無事完成して引き渡しを受けるまで、おちおち寝てもいられない。

国は建築産業から税金もたっぷりとれるし、銀行も手数料がっぽり儲かるのだから、せめて安心して家を買える仕組みぐらい作ったらどうだろう。

知れば知るほどギャンブル要素たっぷりの家の建築。
賃貸派を推す声が大きくなるのも頷ける。