komanyunの日常

とりとめもないことを綴った雑記

犬の頭の中

うちの犬は、以前に比べると噛みつき率、むきっ歯率がずいぶんと減った。
穏やかなお年寄りに飼われると、穏やかで落ち着きのある犬になると聞いたことがある。
もしや、うちの犬が変わったんではなくて、人間側が変わったから犬にも変化があった?と思った。

犬の思考を注意深く観察してみると、日常の大半のことは、その場主義だ。

ある人がおいしいジャーキーをくれたからといって、ある人にお礼をすることはない。
目の前のジャーキーが美味しそうなので、クレクレして、もらったら知らんぷり。
誰からもらうという意識はなく、ジャーキーがあったというだけのこと。

ところが、長く一緒に暮らしていると、徐々に犬が飼い主に意識を向けていく。
飼い主が悲しそうにしていたら、大丈夫?と寄ってきたり、怒っていると怪訝な顔をする。
人間がなんだか分からないまま、でも感情があるのかなぁ~と伺って見るようになる。

その場主義は、自分(犬)が相手を【部分対象関係】として認識しており、伺って見るは、自分(犬)が相手を【全体対象関係】として認識している。
これはメラニー・クラインが提唱した人間の赤ちゃんの精神成長と同じである。

犬の知能は2-3才の子供くらいと言われている。
その年齢の子供は正常精神発達した場合、部分対象関係と全体対象関係の両方を有している。
つまり、犬が正常な精神発達を遂げているならば、人間を[悲しみを持つ]とか[怒りがある]といった感情を持つ存在として理解できるということである。

そうなると、たとえ人間が気に入らないことをしても、犬が即座に噛みつくということなく、”人間は悲しいかな?”と少し考えるようになり、突発的な行動を慎むようになるのではないだろうか?

あくまでも個人的想像なので、実際のプロの世界では別の解釈もあることだろう。
ただ一匹の飼い主として、犬にもずいぶんと深い心があるんじゃないかなと思った次第である。