komanyunの日常

とりとめもないことを綴った雑記

簡易裁判のやり方1

日常の様々なトラブルを解決する簡易裁判所。
我々一般人がなにか事件事故に巻き込まれたとき、相手と話し合いが成立しなければ
判断をお願いする所です。
一般の人は、裁判の全体的な流れややるべき作業がわからないため、尻込み
してしまいます。

そこで、ここに一般人からみた簡易裁判のやり方を記します。

先ず原告は訴状を作成します。

書式については
http://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/syosiki/index_minzisosyou.html
に示してありますので、構えることはありません。
訴状が複数枚に渡るときは、左端に垂直に2カ所ホッチキスを留めます。

相手が法人の場合、法務局に行って、登記事項証明書(又は商業登記簿謄本)
を1通取得します。(H23年当時700円)

証拠が必要な場合は、複写もしくは原本を提出します。
その際証拠に名前が必要になります。右上に甲○号証と書きます。
ページが無いものは、(ページ番号/全体のページ数 例 1/3)とページごとに
右上に書きます。
一つの証拠毎に複数枚に渡るときは、左側に垂直に2カ所ホッチキスで留めます。

これと訴訟費用(請求内容により異なる)と切手代(6000円)を用意します。

訴状、登記事項証明書、証拠、費用、訴状についた印鑑を持って、裁判所に
行き、書類を提出します。

費用は現金ではなく、印紙、切手として納めます。裁判所についてから、徒歩圏内
の郵便局を教えてもらいましょう。(あまり田舎の裁判所だと、歩いていけないので
あらかじめ電話で為印紙、切手を買える所を確認してください。)
提出時に書類訂正がある場合、印鑑を使用します。

これで、ファーストステップ終了です。

数日~数週間待つと、裁判所から電話が来ます。
裁判の候補日の打診です。
原告と裁判所で裁判の日が決まると、被告に訴状と召還書が送付されます。
原告にも召還書が送付されます。署名捺印して返送しましょう。

さて裁判当日です。
時間までに指定された法廷の傍聴席に座り、原告は出廷したことを示すため
傍聴席に置いてある紙に署名をします。
名前を呼ばれたら、傍聴席から、原告席へ移動します。
当日裁判所に行くと、10時半~11時までに行われる裁判が複数個あると予定表に
書いてあります。
ということは、一つの裁判にかける時間は、数十秒~2,3分なのです。
緊張しなくても、大丈夫です。

裁判官が、被告に対して「認否どうしますか?」と尋ねると、被告が弁護士の場合
「次回までに認否の証明をします。」と答えます。
すると裁判官が「次回の裁判の日程を調整します」と言って、候補日を挙げます。
原告、被告ともに都合の良い日が決まれば、それで終了です。
気が抜けるほど、簡単な内容です。

これでセカンドステップ終了です。

被告は次回裁判の約10日前までに、認否の証明を行わなければなりません。
認否の証明とは、訴状と同様な形式の準備書面を作成することを指します。
原告は被告の準備書面を見るまでは、特にすることもないのでぼーっと待ちます。
そして、裁判10日前に裁判所より、被告の準備書面、被告の証拠、準備書面及び
証拠受け取り受領用返答用紙が送られてきます。
返答用紙は、書類を受け取りましたよという返事です。裁判当日に提出してください。

次回裁判までに、被告の準備書面を吟味した上での原告の準備書面を用意できたら
いいのですが、時間が足りない場合は、当日裁判所に行って、最初弁護士がしたの
と同じように、「次回までに準備書面の内容を確認し、意志を表明します」と言えば
いいです。
裁判を早期に終了させたい場合は、短期間で準備書面を作成し、裁判当日に
持参します。

これでサードステップ終了です。


さて、ここからが本番です。
被告の主張(準備書面)に対する認否とその証明を行わなければなりません。

まず書面形式は、被告が提出した準備書面(1)と同じにしてください。
表題は準備書面(1)です。
被告は原告の主張の一部を否認し、被告の主張をしてきます。
被告の主張を原告が否認するならば、その客観的証拠が必要になります。
言った言わないの水掛け論ではなく、きちんとした証拠を元に、否認してください。
証拠がない場合は、被告の主張を否認するに足る客観的一般論を挙げてください。

準備書面と新たな証拠は次回裁判の2週間前くらいに、裁判所に提出してください。

これでフォースステップ終了です。

このように準備書面をやりとりして、裁判の日を決めて、を何度か繰り返し、
主張が出きったところで、結審されます。

テレビで見ていたのは、法廷で口頭のやりとりを通して、結審というスタイルだった
ので、白熱するのかなぁと思っていましたが、書類を出し合うというなんとも静かな
やりとりです。

一番いい戦い方は、訴状を出すときに、戦い方の構図が頭に描けていることです。
自分が握っている客観証拠をどのように切って、自らに有利な方向へ裁判官を
振り向かせるかが大切です。
素人の陥りやすい罠は、自分の目線から抜けることが出来ず、ひたすら主張を
繰り返すことです。
裁判官は、原告の味方ではありません。
客観性のない証拠を元に、原告が主張を繰り返しては、被告の主張を認めて
しまいます。

準備する書面では、是非
・誰が読んでも分かりやすい文章であるか(主語述語の関係、句読点の位置など)
・論理構造はしっかりしているか
・証拠は主張を確実に証明しているか
・論点がぼやけていないか
に気をつけて、作成してください。
それと、句読点は”、”ではなく”,”です。数字は半角ではなく全角を使ってください。

最後に、原告はなにも一人とは限りません。
訴状の原告に記された人だけが、原告席に着けます。
もし、一人で心細いという場合は、訴訟内容に少しでも関係あれば、家族なども
参加してください。
特に相手が弁護士事務所所属の場合、ものすごい数の被告で臨んできます。
もちろん、実際出廷するのは2人程度ですが。
いつでも選手交代できるためです。

自分の信じることを貫くため、司法の場で堂々と戦ってみてください。