komanyunの日常

とりとめもないことを綴った雑記

徳川家康の策略家ぶり

私は日本史に疎い。
しかし、戦国の武士の読心術は大変に参考になるので、ここに記述する。

豊臣の家臣石田三成が周辺の武士の反感を買い、家に攻め入られ、

家康に助けを求めた。そこで家康が武士に話をつけて、三成が殺されるのを防いだ。
家康の武士を説得するやり方が実に巧妙。

「多勢に無勢、ここで三成を殺したとしても、卑怯者のレッテルを貼られますよ」
「秀吉太閤の死からまだ日が浅いこの時期に三成を殺したとあっては、秀吉の後を
継いだ若君の幼きお心を傷つけますよ」

って、どんだけ策略家ですか!

ただ、このような台詞が出ることが、天下をとるに足る力量を持つことを
物語っている。
誰だって卑怯者のレッテルは貼られたくないし、ましてや武士は面子を大切
にする。そういう武士の性格を知っての言葉。
また、冷酷な人間と周囲に思われたくないという心を見事に逆手に取り
三成を殺すことを諦めさせるとは、やられました。

ちなみに力が強いから、兵士が多いから、国を治められるのではない。
たとい、一時期兵力に恵まれたとしても、兵士に不満がたまれば、別の主将を
立て、主君に刃を向ける。
だからこのとき兵力ではなく、言葉で武士に諦めさせることが意味を持ったのだ。

家康はおそらく豪放磊落な性格だと想像するが、その一方読心術に優れ、
アメとムチの使い分けの上手な人だったと思う。
人の上に立つには人の上に立つ器が必要。
その器とは、即ち相手の心を察し抜いて、一見相手に益があるように見えて
自分にも十分益があるといった手を打てること。

こんな人周りにいたら身構えちゃいますね。なんか取られそうで。
上に立つ者は、心許せる相手がおらず、策略家であるのは、今も昔も変わらない
のかもしれない。