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komanyunの日常

とりとめもないことを綴った雑記

一歩また前進

京都大学教授 山中伸弥氏が50歳で、ノーベル医学生理学賞を受賞することが決定しました。
おめでとうございます。

思い返せば、山中先生を知ったのは、2005年、奈良先端科学技術大学院大学に入学するにあたり、入る研究室を調べたことがきっかけでした。


「人間の細胞を初期化する」
この夢のようなテーマは、高校の時に生物で習ったクシクラゲやプラナリアでは出来る”再生”が、高等動物ではできないことに不満を持った私の疑問を一気に解決してくれました。

2006年、それまで猿で成功していたiPS細胞が人で成功したと知ったとき、興奮で夜も眠れませんでした。
ワトソンとクリックが見つけたDNA二重螺旋構造にも匹敵する世紀の発見がされた!!!っと。

病気の人を前にして何も出来ない自分に悔しい思いを抱く医者・家族に、一筋の大きな光をもたらすiPS細胞。
まだまだ目的に沿った細胞に分化させ、安全に使うにはハードルがあります。
莫大な費用をかけて、大がかりな実験をする必要があります。

生物研究の世界は、費用も時間もべらぼうにかかる。
実験動物の確保、高価な薬品、温度や湿度を一定に保つ施設、分析用装置などなどお金はいくらでも出ていきます。
そして24時間、365日ずっとフル稼働です。
(ちなみに生物学の学生は睡眠時間1時間で年中ほぼ無休というところもある)

研究者として成功する条件は「ビジョンとワークハード」というグラッドストーン研究所ロバート・メイリー所長の言葉、深く納得です。
ビジョンがなければ先の見えない研究に集中することもできないし、周りを説得して支援を引き出すこともできないのですから。

ノーベル賞に湧いている今は、スポットを浴びて華やかな世界だと思う人もいるでしょう。
でもその裏に、言葉に出来ないブラックホール並の悩みや、肉体疲労、金策徒労があるのです。
研究者の中には気が狂って自ら寿命を短くしてしまう人、精神的に病む人がいます。
そんな困難を乗り越えて、iPS細胞の発見に至った山中教授は本当にスゴイ人で、そして運にも恵まれたと思います。

角刈りヘアの実直なそれでいてユーモアのある教授だからこそ到達した頂です。
けど、その頂の上にまた次の頂がある。
ノーベル賞は、単なる通過点に過ぎません。
山中教授はノーベル賞に浮かれる事はないと思います。
それよりもノーベル賞で認められることで、より研究が加速することを喜んでらっしゃると思います。
整形外科医のころに味わった挫折を生涯かけて解決していくのではないでしょうか。

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