komanyunの日常

とりとめもないことを綴った雑記

更新料の判決について

賃貸住宅の更新料が有効であると最高裁判所が判断した。
けど、その理由が判然としない感じ。

更新料は賃料の一部というなら、月額の賃料に上乗せすればいい。

でも上乗せして、更新料なしにしないのは、周りの物件に比べて自分とこの提示額が
割高になるから。
するとお客さんが入居してくれない可能性が高いから。
完全に貸し主の都合でしょう。

また裁判所が、貸し主の「契約をしたんだから双方で合意したということになる」と
いう主張を認めたことについて、仮に借り主が部屋を借りにいって、全てOKだけど
更新料は飲めないからなしにしてと言ったら、貸し主の何割が了承するだろうか?

大概の借り主は、部屋を借りることを急いでおり、借りられないデメリットを考える
と多少の無理をして締結せざるを得ないのは明らかだ。
需要より供給が急かされていれば、需要側の条件が強く働くのは市場の原理では
ある。しかしそうやって弱者を追いやってばかりでいいのか、今一度考えねば、
本当の意味で賃貸事業は自由化されていない。

今回の最高裁の判決は、本音では誤解を生む更新料を取っ払って、賃料に上乗せ
すれば、いざこざは起きないんだからそうしてよと言いたい所を、更新料無効と
判決すると過去10年に遡って更新料を払い戻さねばならない事態を生み出すが
故に、不動産業者の倒産の防止策として更新料有効という判決が出ただけ。

ようするにめんどくさいことをおこしたくないから、時代に合わないルールでも
ねじ込んで使わせてしまえという怠慢な態度。
今回訴訟を起こした人には、拍手を送りたい。
以前のように情報弱者が大手に巻かれて、あっそっかと納得せざるを得ない時代
はとうの昔に終わって、知識やネットワークを活かして、本来どうあるべきなのかを
考える時代になった。
それを象徴するかのような、悪しき習慣である更新料について、再考しましょうと
世間に投げかけるきっかけとなったのだから。

今後は、以前ほど更新料が大手を振って歩ける時代ではなくなるだろう。
借り主は少なからず、意味不明の手数料に不満を抱き、悪しき習慣に飲み込まれる
窮屈さに辟易しているのだから。

結局今回の判決は一過性のものであって、借り主側が結託して、主張をして
いけば、いづれ更新料などという悪は取り払われるだろう。
いつぞやの私立大学入学に合格したときに、国立大学の合格発表の前に一定額
を支払うことが習慣化していたことが、いつの間にか無くなったときのように。