komanyunの日常

とりとめもないことを綴った雑記

犬育てから学ぶこと

藤井聡さんという有名なペットトレーナーがいる。
一度ペットしつけ教室を受講したことがある。
話がとても分かりやすく、また実際に犬を使ってやりかたを見せてくれたので
犬の育て方の理解に役立った。

さて、その方の著書を読みながら、日本人の犬の飼い方の間違いについて

特徴的な考えがあることに気がついたので、ここに記する。

日本では、人前で犬のあごをもって、お腹を出させると、周囲から「かわいそう」と
いう声が上がる。
リードを強く引っ張って、犬の首にショックを与えると、「そんなことしなくても」と
言われる。
本当に犬にとって悪いことだろうか?

日本人独特の基質で、全てのことは自分の延長として捉える節がある。
だから犬を叱るときは、人間に叱るのと同様に、目を見て言葉で叱ろうとする。
しかし、残念ながら相手は犬だ。そんなルール通用しない。
目を見て叱れば、飼い主は敵対する相手となり、怒られる声は、「もっとやれ!」と
いう応援の声と捉えられる。
飼い主の意図とは反して、全く叱っているという意味にならない。
だから犬の世界のルールにのっとって、叱ることが正しい。
なのに、日本人はそこが理解できない。
さすが、黙っていても言いたいことは伝わると思いこんでいる民族なだけある。

自分と他者は別々の価値観の世界に住んでいることが理解できないと、全てを
自分のことに置き換え、考え、行動してしまう。
そして「貴方のためよ」という呪いの言葉を発する。
実のところ全くためになっておらず、むしろ押しつけが迷惑な場合もあるのに。

犬だって同じ。
人間のルールなんて知るか!ってなもんだ。
母犬が子犬を叱るように、人間も子犬に対して振る舞わないと、叱っているという
メッセージが伝わらない。

海外の「個人」という考えが浸透している国では当たり前の考えが、まだ日本では
受け入れられていない。
受け入れられなくても、お国柄で過ごせるならいいけど、実際領土問題、震災の対応
、孤独死、ニートの増加などの社会問題を起こしている。
自分の価値観で全てをくくる時代など、とっくの昔に終焉を迎えているのに、いまだに
しがみつこうとする人々。

そんなんでドウスルンデスカ?
白州次郎や夏目漱石など、かなり昔の人であっても「個人」というものを発見し
実践する人たちはいた。
我々は彼らを見習い、自分とは何か、自分以外の人間とは何かを知る岐路に立た
されているのではなかろうか?

なにもすごいことをしろと言っているわけではない。
犬と自分、自分と他者 これらが違うことを認識できるように努めることから始めれば
よいのだ。