komanyunの日常

とりとめもないことを綴った雑記

山中先生の夢

数日前のasahiの記事に、
「腫瘍(しゅよう)にならない人工多能性幹細胞(iPS細胞)を選び、脊髄(せきずい)を損傷したマウスに移植、運動機能を回復させることに、岡野栄之・慶応大教授と山中伸弥・京都大教授の研究チームが成功した」と掲載されていた。

 iPS細胞の産みの親である京都大学の山中先生の夢が現実になろうとしている。

山中先生は、整形外科医だったが、あるとき外科で出来ることに限界を感じ、
新しい治療法として細胞レベルでのアプローチをするため、一から学び直して
研究をされ、見事人工的に万能な細胞をつくる手段を発見されたのである。

山中先生は横浜で行われた市民講座で、スーパーマンの役をされたクリスト
ファー・リーブ氏の例を挙げ、脊髄損傷を負うと、負傷部より下の身体が全く
動かなくなること、もしiPS細胞で脊髄の神経細胞がもう一度再生できれば、
手足を動かせるようになることを説明された。ご自身も柔道をなさられ、その
ような事故が身近にあることを感じており、未来治療できたらと願っていらっしゃ
るようだった。

その研究がとうとうここまでやってきた。

私も過去に多能性細胞を研究したくて、大学院で学んだことがある。

神経という機能が失われたことによる生活への影響は、はかりしれない。
もし、愛する人が事故や病気で、不自由を強いられる生活になったら、
どうやって支えたらいいんだろう?何が出来るんだろう?と考えたときに、
そばにいることはもちろん、治療をして、なるだけ元の状態に戻してあげる
のが一番と考えた。だから、研究をしようと思ったのある。

人間はまだまだ知らないことがいっぱいあって、人間の可能性を使いきれて
いない。細胞は、少し条件を変えてやると、さまざまな様態を見せてくれる。
山中先生をはじめ、日本の優秀な先生方が、今後細胞について新たな知見
をみつけ、我々をよりよい生活に導いてくださることを願っている。